足の筋力は自分の力で歩き続けるために、確実に必要な能力です
一方で、足の筋力を自宅で、簡単に測定する方法はほとんどありません
そこで、理学療法士として働く私が、自宅でできる足の筋力測定方法を紹介します
5回立ち上がりテスト

- 一般的な椅子に座ります(高さは42-43cmが妥当)
- 腕を組みます
- スタートします
- 手すりなどを捕まらずに、5回、立ったり座ったりを繰り返します
- 5回目の立ったところで、時間をストップします
時間が早い方が、足の筋力がある、と言うテストです
なるべく早く、立ち座りを繰り返した時間を計測しましょう
5回立ち上がりテスト測定
ステップ1:タイムを測定しよう!
椅子から5回立ち上がる時間を測定します。準備ができたら「スタート」ボタンを押し、5回目の立ち上がりが完了したら「ストップ」ボタンを押してください。
ステップ2:足の筋力年齢をチェック!
ここに結果が表示されます。
参考文献:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001239054.pdf
1. なぜ「5回立ち上がりテスト」を測るの? ~下半身の筋力と日常生活の動作能力~
「5回立ち上がりテスト」は、椅子から腕を使わずに5回連続で立ち座りする時間を測ることで、主に太ももやお尻といった下半身の筋力と、素早く動くための機敏性(パワー)を評価する簡単なテストです。日常生活で行う「座る」「立つ」という動作は、トイレに行く、食事をする、ベッドから起き上がるなど、あらゆる場面で必要不可知欠です。この基本的な動作をスムーズに行うためには、十分な下半身の筋力が欠かせません。特に高齢になると、意識しないうちに筋力が低下しやすく(これをサルコペニアと呼ぶこともあります)、立ち座りに時間がかかったり、よっこいしょと声が出たりすることが増えてきます。このテストのタイムは、そうした下半身の機能がどの程度保たれているかを示す客観的な指標となります。速く行えるということは、筋力だけでなく、力を素早く発揮する能力や、バランスを保ちながら連続して動作を行う能力も高いことを意味します。定期的に測定することで、ご自身の体の変化に気づき、早めに対策を講じるきっかけになります。
2. タイムが遅いと何に気をつける? ~活動量の低下と転倒リスク~
5回立ち上がりテストのタイムが同年代の平均よりも遅い場合、まず考えられるのは下半身の筋力低下です。これにより、日常生活の様々な場面で影響が出てくる可能性があります。例えば、低い椅子やソファから立ち上がるのが億劫になったり、和式のトイレや床からの立ち上がりが難しくなったりします。その結果、外出の機会が減ったり、家の中でも動くことが少なくなり、活動量が全体的に低下してしまうことがあります。活動量の低下は、さらなる筋力低下や体力低下を招き、悪循環に陥りやすくなります。また、立ち上がりや歩行時のふらつきが増え、転倒のリスクも高まります。特に、何か物を持っていたり、急いでいたりする状況では、バランスを崩しやすくなるでしょう。さらに、筋力低下は膝や腰への負担を増やすため、関節痛の原因になることもあります。体力が落ちることで、疲れやすさを感じたり、病気からの回復が遅れたりすることもあるかもしれません。タイムが遅いことに気づいたら、まずは日常生活で無理のない範囲で体を動かすことを意識し、転倒しにくい環境づくり(手すりの設置、床の整理整頓など)にも気を配りましょう。
3. どうすればタイムをよくできる? ~今日からできる下半身強化トレーニング~
5回立ち上がりテストのタイムは、適切なトレーニングで改善が期待できます。ご自身の状態に合わせて、無理なく安全に行える方法を選びましょう。
● まずは「立つ」ことから始めたい方(腕を使わずに立てない方):
焦らず、補助を使いながら立ち上がる練習をしましょう。安定した手すりやテーブルに両手または片手でしっかりつかまり、ゆっくりと立ち上がり、ゆっくりと座る動作を繰り返します。最初は数回から始め、徐々に回数を増やしたり、つかまる力を少しずつ弱めていくことを目指します。この時、お尻と太ももの筋肉を意識して使うことがポイントです。安全第一で行い、決して無理はしないでください。
● 1回でも腕なしで立てる方、さらにタイムを縮めたい方:
より積極的に下半身を鍛えましょう。まず、テストと同じように「腕を使わずに椅子から立ち座り」を、回数を決めて(例:5~10回を1セット)行います。慣れてきたら、少し勢いをつけて素早く立ち上がる練習を取り入れ、瞬発力を高めます。また、「スクワット」は下半身全体を効果的に鍛える代表的な運動です。足を肩幅に開き、お尻を後ろに突き出すように膝を曲げ、ゆっくりと元に戻します。膝がつま先より前に出ないように注意し、最初は浅くても良いので正しいフォームで行いましょう。かかと上げ運動やウォーキングも、下半身の筋力維持・向上に役立ちます。これらの運動を、ご自身の体力に合わせて、週に2~3回程度行うのがおすすめです。
【大切なお知らせ】
このページで提供している情報は、一般的な健康増進を目的としたものであり、特定の病気の診断や治療を目的としたものではありません。運動を行う際には、ご自身の体調をよく確認し、決して無理をしないでください。特に立ち上がり動作やスクワットは、膝や腰に負担がかかることがあります。痛みを感じる場合は中止してください。持病をお持ちの方や、健康状態・体力に不安がある方は、必ずかかりつけの医師や専門家にご相談の上、指示に従ってください。
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