心リハ指導士10人に聞いた過去問を解説 解剖学

心リハ指導士

目次

皆さんこんにちは

心臓リハビリテーション指導士の取得を目指して勉強中のりよたろです

心リハ指導士を目指す皆さんは、既に気づいているかと思いますが、

この資格試験には、過去問がありません!!!

問題集がありません!!!

インターネットで検索しても、わずかな方のわずかな記憶が垣間見えるのみ。。。

本試験の勉強をするには、

日本心臓リハビリテーション学会が出版している

なんと合計383ページ

2022年増補改訂版 指導士資格認定資格準拠 心臓リハビリテーション必携 

心臓リハビリテーション指導士必携

これを読むのみです

私にはそんな効率の悪い勉強は耐えられなかったので、先輩方の力を借りることにしました

私の職場にいる、既に心リハ指導士の資格を取得した先輩、同僚に、

記憶の許す限り、過去問作成にご協力頂きました!!

というわけで、ただ過去問を共有するだけではつまらないので、

過去問について勉強がてら解説しつつ、一問一問を深く考えてみようと思います

ということで、今回は

「第1回 解剖学編」 を勉強していこうと思います

心リハ指導士 過去問 冠動脈編

冠動脈について、誤りはどれか

  1. 右冠動脈は室間溝を走行する
  2. 回旋枝は房室間溝を走行する
  3. 心拍出量の約15%が冠動脈に分配される
  4. 左前下行枝は心室中隔のほとんどと、左心室前壁を灌流する

正しい文章:1,2,4  謝った文章:3 (正しくは15%⇨5%)

心リハ指導士 過去問解説 冠動脈編

ここ2年は冠動脈に関する問題が出題されています

また、解剖学以外の問題でも、冠動脈の栄養領域について問われているものもありました

それぞれについて解説していきます

まずは冠動脈の解剖学です

冠動脈走行まとめ 自作

まずは冠動脈は上行大動脈の基部から始まります

右冠動脈は#1-4、左主冠動脈(#5)が前下行枝(#6-10)と回旋枝(#11-15)に分岐します

これらの名称は「回旋」や「前を下行」といった形で比較的わかりやすい表現になっています

上の画像は目に焼き付けておきましょう

続いて冠動脈の支配領域です

冠動脈の支配領域まとめ 自作

冠動脈と支配領域をまとめると以下の通りになります

  • 右冠動脈:右心室、中隔〜下壁
  • 左前下行枝:中隔〜前壁〜側壁
  • 左回旋枝:後壁〜下壁

ただし、これらの領域の境目は、曖昧な部分があります

教科書によっては、境目はグラデーションになっていることもあるため、

きっちり覚える、というよりは、なんとなく映像として覚えておくぐらいが良いでしょう

また、この支配領域の図は、心臓エコー、心筋シンチグラフィーの回でも

重要になってくる図です

ぜひ、応用問題にも対応できるように基本を押さえておきましょう

心リハ指導士 過去問 下肢動脈編

続いて、下肢の動脈の解剖学です

CTを見て、どこが虚血しているか答えよ

  1. 総腸骨動脈
  2. 外腸骨動脈
  3. 内腸骨動脈
  4. 大腿動脈

答え:CT所見に合わせて正しい選択をする

心リハ指導士 過去問解説 下肢動脈編

下肢の動脈の名称を答えるだけでは、臨床的ではありません

そこで、心リハ学会は、CT所見を用いて、解剖学を問うてきました

このような傾向は、心臓カテーテル検査やPCI、CABGといった章でも見られます

例えば、カテーテルを行っている画像を見せて、どこをPCIしたか、を問うわけです

つまり、実臨床に沿った内容を出題してくるわけですね

勉強になります

そもそも下肢血管のCT画像なんて見たことない、という方の方が多いのではないでしょうか

造影検査では、水分は白く写るため、血液・血管は白く写ります

白い部分を追っていけば、それは血管だということですね

動脈の走行は以下の通り

下肢血管まとめ図 
末梢動脈疾患(PAD):診断と治療の進歩 診断と検査 6.マルチスライスCT 日本内科学会雑誌 第97巻 第 2 号・平成20年 2 月10日 より画像は引用

例年の過去問の傾向では、そこそこ大きな動脈について問われているので、あまり悩むことはないでしょう

また、その他の年では、

触診できる動脈はどれでしょうといった問題もあったようです

大腿動脈(膝窩動脈)、前脛骨動脈、後脛骨動脈、足背動脈あたりは触れられます

一方、総腸骨動脈は内外腸骨動脈は、一般的には触診しにくい動脈になります

合わせて覚えておくと良いでしょう

応用編としては、どこの動脈にステントを入れたか

という問題もあるようです

こちらは、明らかに血流が不足した血管が復活しますので、

下肢血管まとめと、CTの所見がイメージできれば問題ないかと思います

解剖学の中で、過去に出題されなていない領域

解剖学だけでも「心臓リハビリテーション必携」では2〜11ページを割いています

特に出題されやすいのは、冠動脈、筋肉、全身の動脈の解剖学です

しかし、過去の問題では出題されない傾向にある領域もあります

  • 弁の名称を問う問題
  • 刺激伝導系の名称を問う問題
  • リンパ系の問題
  • 骨関節の問題

これらの領域は、ただ名称を問う問題としては出題されたことはないようです

しかし、弁や刺激伝導系の名称は、これからの生理学や検査の章では

知らないと話が進まない部分なので、しっかりと押さえておきましょう

以上、解剖学編でした!

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