私は集中治療室で13年間働いている理学療法士です
集中治療室で働いている、といっても一般病棟も継続して患者様を担当しています
多くの方が集中治療室での出来事を覚えていない、とおっしゃる一方、鮮明に記憶に残っている方もいます
苦しかった、死ぬかと思った恐怖の記憶もあれば、医師・看護師などに優しく声をかけてもらった嬉しい記憶もあるようです
これから集中治療室に入る方、集中治療室での記憶が残っている方、忘れてしまった方
様々な方に届くよう、生のインタビューをお伺いしたので、ご紹介します
集中治療室で約2週間治療したAさんに、退院前にインタビューをしました。
録音した記録を文字起こしして、簡潔にまとめた内容です。
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集中治療室で辛かったこと

集中治療室で辛かったことはなんですか?

一番辛かったことは、自分の声が皆さんに伝わらなかったことです。
声が出なかったこともそうだけど、それよりも、やってほしいことが伝わらない、筆談もうまく書けずに伝わらない、口パクも伝わらない。。。
何回か試して、諦められちゃうんです。そして絶望しました。もうこのまま放っておかれるんじゃないか。もう終わりだと思いました。

それは辛かったですね。
Aさんは、人工呼吸器の時間が10日間ほどありましたから、長く感じたのではないでしょうか。

そうですね。終わりがないように思えました。
皆さん、よくなっています、もうすぐです、と言ってくれました。
しかし、私には良くなっていると感じられることはありませんでした。
管は繋がっているし、声が出ないこと、手を縛られていることは変わりませんし、数字が良くなっていることを言われても信じることができませんでした。
一生懸命治療してくれている皆さんを、信じることができなかったことも、今思い返して後悔しています。

確かに良くなっていることを身をもって感じるのは、管が取れないとわからないかもしれませんね。
先ほど、身体抑制の話が出ましたが、こちらはいかがですか?

身体抑制ははじめはびっくりしました。
え?縛られてる?やばい!と、怖くなりました。なぜなら私は緊急入院だったので、病院にいることも最初は知らなかったからです。倒れた時の記憶も全くないので、、、ドラマや映画の世界のように感じました。

そうですよね。緊急入院で倒れた時の記憶がなかったら、なぜ縛られてるのか理解できないですよね。
予定の手術の場合は、暴れる方も少ないのですが、Aさんは最初暴れてしまったので、鎮静剤でしばらく寝てもらった経緯もあります。
身体抑制も長く続きましたよね。どんな気持ちでしたか?

私の覚えている最初の瞬間は、身体抑制をとってくれて、筆談をチャレンジしよう、と言ってくれた看護師さんに文字を書こうとした瞬間でした。
でもうまく字が書けなくて、、、その時に、ふと鼻を掻こうとしてすごく怒られたんです。管を引っ張らないでください!!って。
その時、鏡を見せてもらって、人工呼吸器が口に入っているのを見て、なるほどと。。。
ですから、その時から、身体抑制は仕方のないことだと思えました。
確かに縛られて自由に動けないことは辛かったです。
寝返りも打てないし、かゆい所をかくこともできませんから。
でも人工呼吸器を誤って抜いてしまったらもっと苦しくなる、というのを鏡を見て直感的に理解できたので、縛られること自体は我慢することにしました。
ただ、ナースコールがどこに行ったかわからなくなった時も、とても絶望しましたけどね(笑)

なるほど。そのように協力して頂けていることが私たちもわかったので、少しずつ身体抑制を外す時間を作ろうと、我々も試行錯誤したタイミングもありました。
ナースコールがどこに行ったか分からない、はよく言われます。
なるべく手首の輪ゴムにくくりつけるようにしていましたが、不安ですよね。
トイレの問題などはいかがでしょうか。

トイレは最初の一回はめちゃくちゃ抵抗感がありました。
おしっこは管が入っているので、いいとして。
お通じはおむつにしていいですよ、と言われて、はい分かりましたとはいかなかったですね。
え?どうやって力を入れるの?って感じです。
寝たままベッドの上ですよ、、、抵抗ありましたね。
でもあまりにお腹が苦しくなってきたので、一回出てからは、なんだか慣れちゃいました。
女性の看護師さんに下の世話をされることも、最初の一回だけでしたね。
一般病棟に行ってから、トイレに行かなきゃいけないのに、ベッドの上でしばらくお世話になってしまって、、、いけませんね(笑)

やはりトイレは羞恥心もありますから辛いですよね。
車椅子で行けるなら、トイレはトイレでする。当たり前のことですが、慣れは怖いですね。
人工呼吸器の辛さはいかがですか?
よく10段階で表すとどれぐらい辛いですか?と聞きますが。

人工呼吸器は本当に辛かったです。水が飲めないことも喋れないことも辛かったですけど、何より、タンを取る作業が辛すぎました。
のどの奥まで管を入れられるので、せきが出るし、止まらないし。
しかも1日に何回も何回も、、、
看護師さんの「タンを取りますよ〜」が恐怖でした
10段階では10です。間違いなく10以上、あれほど辛いことはないですよ。
あれで痛み止めが入っているんだから驚きました。

10段階で10なんですね。
やはりタンの吸引が一番ですかね。痛み止めはとても強い薬が入っていましたが、それでも辛かったですね。
タンを取る時に、私たちスタッフにもっとこうしてほしい、など改善点はありますか?

改善点ですか、、、
強いて言えば、タンがないのに取らないで欲しかったです。
せっかく頑張ったのに、「タンがなかったですね〜」は辛すぎます。
「せめてしっかり取ってよ〜」と思いましたね(笑)

それは失礼しました。
こちらとしてはルーティンで慣習的にタンを取ることはしないようにしているのですが、申し訳ありませんでした。
それ以外に辛かった記憶はありますか?リハビリとか?

それ以外は私は大丈夫でした。
もっとあったかもしれませんが、記憶が断片的なので。
リハビリはむしろ唯一の希望でした。
辛かったのかもしれませんが、このままでは人生終わってしまうと思っていたので、リハビリの方が来てくれた時は、できることは全部やったと思います。

確かにAさんのリハビリは、こちらがやめましょうというまで頑張って頂いたと思っています。
辛い記憶を思い出していただきありがとうございました。
集中治療室での辛かった記憶を気さくに話してくれました。Aさんには感謝申し上げます。
私たち医療スタッフは、このように辛い治療を乗り越えられるようにサポートしています。
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集中治療室で嬉しかったこと、ありがたかったこと

それでは次に、嬉しかったこと、ありがたかったことなど、前向きな記憶は残っていますか?

それはもちろん、人工呼吸器が抜けた時です。
声が出る、言いたいことが言える。
多分、管が抜けた後に会った人みんなに感謝の気持ちを伝えまくった気がします。
嬉しすぎて、確かちょっと泣きました(笑)
良くなっていること、まだ生きられるんだ、ということを現実に感じられた瞬間でした。それまでは、本当に生きられないかも、と思っていたので、、、
一緒になって看護師さん達も喜んでくれて、本当に嬉しかったです

一番辛いことが、うまく話が伝わらないこと、を挙げていましたね。
やはり、辛いことが辛い、感謝すべきところでありがとうが言える、これが一番大切ですかね。
いわゆる、生きた心地がした、って感じでしょうか。
看護師さんたちの言葉はやはり支援になりますか?

看護師さんの言葉って、本当にすごいんですよ。
辛い時にそんなんじゃダメでしょ!!って叱ってくれたベテランの看護師さんも、一緒に頑張りましょう!って寄り添ってくれた看護師さんも、皆さんそれぞれの言葉で励ましてくれました。
中には冷たい方もいましたが、、、
でも夜勤もあるし、話せない私にもなんとか意図を汲み取ろうと一生懸命になってくれていました。皆さんに感謝です。

看護師さんって本当にすごいですよね。
お医者さん達はいかがでしたか?

それが、集中治療室でお医者さんと話した記憶がほぼないんです。
服が似てるからか、どの方がお医者さんか分かりませんでした。
正直、あなた(理学療法士の私)も最初は医者だと思っていました。
ですから、人工呼吸器を抜いてくれた方、名前も覚えていませんが、あの先生だけ、うっすらと顔を覚えています。
「管が抜けてよかったですね。やっとスタートラインですから、リハビリを頑張って下さい。」と言ってもらえて、よかった、生きてるって。
それ以外は、集中治療室の先生達には会えていないです。会えていないというか、認識できていないというか。
感謝の気持ちを伝えておいて頂けると助かります。

なるほど、どの人が先生か、患者さんからは分からないんですね。
それは私たちも認識していませんでした。
白衣を着ている先生もいれば、スクラブの先生もいますから、患者さんからすると分からないですよね。
意外な発見もあり、勉強になりました。
ありがとうございました。
まとめ
今回は50代の男性にブログで紹介する同意を得て、インタビューを行いました。
私の知る限り、集中治療室での記憶がある方だと思います。
中には、本当に全く覚えていない方もいるほどです。
それほどまでに壮絶な治療なのかもしれません。
このようなインタビューは私たち医療スタッフも勉強になりますので、定期的に伺っていこうと思います。
Aさんにはこの場を借りて、改めて感謝申し上げます。
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