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内部障害、心臓リハビリに携わった経験のある方は聞いたことはあるでしょう
近年の心不全患者の増加や、ICU・CCUの発展、早期離床・早期介入の流れからも、循環器系のリスクを把握することが重要であることは明白です
しかし、循環器系の学習は大学・専門学校での学習では決して十分とは言えず、就職してからの自施設でさらに知識をつけざるを得ないのが現状かと思います
ただ、何も目標もなく、勉強するのも、、、
そんな療法士の方のために、心臓リハビリテーション指導士があるのです!
実は私もまだとっていない資格です
次回の試験を受けますので、一緒に学んでいきましょう
心臓リハビリテーション指導士とは
心臓リハビリテーション指導士とは、
包括的な心臓リハビリの普及を目的として「特定非営利活動法人 日本心臓リハビリテーション学会」によって2000年に発足された認定制度です
日本全国で6000人の資格取得者がおり、1年間に約500-600人程度が合格しています
2022年の受験者数は666名、合格者は524名、合格率は78%だったようです
2022年、職種別合格率は以下の通り
合格者(人) | 不合格者(人) | 合格率 | |
医師 | 151 | 1 | 99% |
看護師 | 27 | 27 | 50% |
理学療法士 | 307 | 96 | 76% |
臨床検査技師 | 2 | 1 | 66% |
管理栄養士 | 2 | 1 | 66% |
薬剤師 | 1 | 0 | 100% |
臨床工学技士 | – | – | – |
臨床心理士 | – | — | – |
作業療法士 | 28 | 12 | 70% |
健康運動指導士 | 6 | 4 | 60 |
やはり医師、理学療法士が多くを占めますが、
看護師・作業療法士なども頑張っている方がいるようです
入院、外来を問わず、心臓リハビリに関わる全てのスタッフが取得することができるようですね
心臓リハビリテーション指導士を取得するには
心臓リハビリテーション指導士になるには「日本心臓リハビリテーション学会による認定試験」に合格しなければなりません。
受験に必須の条件は5つは以下の通り
(1)心臓リハビリテーション学会が主催する講習会を当該年度に受講していること
(2)医師、看護師、理学療法士、作業療法士といった資格を有していること
(3)受験申請時に2年以上継続して日本心臓リハビリテーション学会会員であること
(4)心臓リハビリテーション指導の実地経験が1年以上あるまたは心臓リハビリテーション研修制度により受験資格認定証の交付を受けていること
(5)10例の自験例を報告すること
順番に確認していきましょう
(1) 心臓リハビリテーション学会が主催する講習会は、2023年6月に予定されています。
この講習会を受けなければ、受験資格そのものがありません。
唯一、この講習会の代わりとなる講習会は2022年12月10日の「第78回運動処方講習会」です
オンラインで開催予定ですので、検討の余地ありですね
https://www.jacr.jp/cms/wp-content/uploads/2022/10/20221211CEPP78_2.pdf
(2) 受験資格のある資格は以下の11種類です
医師、看護師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技士、臨床心理士、公認心理師、健康運動指導士
(3) 心臓リハビリテーション学会への入会は年度始めのみです
つまり、2023年の試験を受ける場合は、2021年4月に入会申請を行っている必要があります
2022年度に入会希望のした場合は、2024年の受験資格を得られます
まだ入会していない方は、
2023年4月20日までの申請と、2023年4月30日までの入金を行うようにしてください
(4) ”心臓リハビリテーション指導の実地経験が1年以上ある”とは、心大血管リハビリテーション料を算定しているかどうか、は関係ありません
心臓リハビリテーションを行っているかどうか、が基準となります
また、”心臓リハビリテーション研修制度により受験資格認定証の交付”とは、心臓リハビリテーションの実地経験が1年以上、が困難な方への救済処置です
当院も研修施設になっていますが、これまで3人ほど、当院で研修を終了しています
自験例10症例の指導もしっかり行ってもらえるため、有用な制度かと思います
最後に、注意事項ですが、
募集要項や書式は毎年変更されています
申請年の3月ごろ掲載される募集要項を確認することが重要ですね
心臓リハビリテーション指導士の取得更新にはいくらかかるか
まずは、2年間の心臓リハビリテーション学会の在籍が受験資格となります
年会費は以下の通り、これが2年間必要となります
医師 | 15000円 |
コメディカル | 8000円 |
さらに、受験に必要な費用は、講習会受講料10,000円、筆記試験受験料15,000円が必要となります
つまり、
医師は年会費(15000✖️2)+講習会10000+受験料15000=55,000円
コメディカルは年会費(8000✖️2)+習会10000+受験料15000=41,000円
が必要となります
なかなかの額ですね
そこに5年毎の更新と、年会費がかかりますから、それ相応の出費を考えた方が良いでしょう
心臓リハビリテーション指導士を取得するメリット
さて、お金の話も終わったところで、やっとメリットのお話です
実際に支払う金額や、資格取得にかける時間に見合うメリットがあるかどうか、ですね
主なメリットは3つ
- 今後、確実に増加する心疾患に対応できる
- 心臓リハビリの知識は腎臓リハビリ、集中治療領域の基礎となる汎用性の高い知識である
- 給料アップの可能性あり
心臓リハビリテーションの対象者は、何を隠そう心疾患です
心疾患は世界の死因で第1位
また、日本でも死因は第2位です
病院で働く、施設で働く以上は、心疾患を合併した患者さんに出会わない方が難しい時代です
今後はさらに高齢化が進み、心疾患を抱えた患者さんは増加するでしょう
理学療法士、作業療法士はそれらの患者のリスクを把握し、適切な負荷を与え、
看護師は適切な知識を提供していく必要があります
特に心臓リハビリテーションとは、
包括的心臓リハビリテーションとも呼ばれ、多岐にわたる知識を要します
「包括的」とは
栄養、薬物療法、解剖学、生理学、心理・精神面、禁煙指導など、が当たります
心臓に関して、これらの知識を包括的に学んでおく必要があります
なんとなく運動する、なんとなく塩分制限する、
これでは、健康寿命の増進には繋がりません
正しい知識で、困っている患者さんの予後改善、QOL改善を目指したいですね
また、心臓リハビリテーションの知識は腎臓リハビリテーション、集中治療領域と
非常に多くの部分が重なります
特に腎臓リハビリテーションは以下のガイドラインを参考にしてもらうとよくわかりますが、
心臓リハビリに近い考え方があります
よく心腎連関などという言葉もありますが、心不全、腎不全、貧血が密接に関わり合い、
それぞれが悪影響を及ぼし合います
この辺りは、今後私も資格試験の勉強の中で、詳しく解説していきますね
心臓リハビリテーション指導士を取得したら給料が上がる?
ここは各施設によるところでしょうか
私の知り合いや友人に聞く限り、
資格をとったら昇給、資格をとったらボーナスアップ、
そんな景気のいい施設は少ないようです
しかし、実際に集団の外来心臓リハビリテーションを行うことができれば、
病院に対して多くの収益をもたらすことが可能となります
このような実績を持って、給料に反映させることは、難しいことではないでしょう
実際に、当院でも外来心臓リハビリテーションを以前は午後一枠で行っていましたが、
ここ最近は午後二枠で取り組むようになり、収益もアップしています
心臓リハビリの担当医も心配運動負荷試験(CPX)で1600点も実績となり、
病院として決して無視できない収益となります
資格=給料アップとはならなくても、
資格→実績→給料アップには十分つながることでしょう
まとめ
2023年 実際に私も心臓リハビリテーション指導士を受験し、合格しました
皆さんも本ブログを通して合格を目指してくれると嬉しいです
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