心臓リハビリ指導士 過去問集 動脈硬化・脂質異常症編

心リハ指導士

目次

心臓リハビリテーション指導士の取得を目指して勉強中のりよたろです

心リハ指導士を目指す皆さんは、既に気づいているかと思いますが、

この資格試験には、過去問がありません!!!

問題集がありません!!!

インターネットで検索しても、わずかな方のわずかな記憶が垣間見えるのみ。。。

本試験の勉強をするには、

日本心臓リハビリテーション学会が出版している

なんと合計383ページ

2022年増補改訂版 指導士資格認定資格準拠 心臓リハビリテーション必携 

心臓リハビリテーション指導士必携

これを読むのみです

私にはそんな効率の悪い勉強は耐えられなかったので、先輩方の力を借りることにしました

私の職場にいる、既に心リハ指導士の資格を取得した先輩、同僚に、

記憶の許す限り、過去問作成にご協力頂きました!!

というわけで、ただ過去問を共有するだけではつまらないので、

過去問について勉強がてら解説しつつ、一問一問を深く考えてみようと思います

ということで、今回は

「第8回 動脈硬化・脂質異常症 編」 を勉強していこうと思います

心リハ指導士過去問 動脈硬化編 

誤った文章を選択せよ  (2015年、2018年)

  1. 動脈は内膜・中膜・外膜の3層構造から成り立つ
  2. プラークとは、外膜と中膜の間に生じる
  3. 動脈硬化は総頚動脈の超音波検査で内膜中膜厚が1.1mm以上で判定される
  4. 労作性狭心症など、の安定した虚血性心疾患はプラークの石灰化が進行した状態である

正しい文章:1,3,4 誤った文章:2(プラークは中膜と内膜の間)

心リハ指導士過去問 動脈硬化編 解説

動脈硬化に関する問題は数年に1問と低頻度ですが、

内容が基礎的であるため、落とせない問題かと思います

動脈硬化とプラークの模式図については以下に示します

動脈とプラークの構造

プラークは内膜と中膜の間に存在します

心筋梗塞などのACS(Acute Coronary Syndrome)は血管内皮細胞の増殖したプラーク内での

血管新生が起こり、その血管の破綻や出血によって発症します

つまり、不安定狭心症や心筋梗塞が起きる際のプラークは、

非常に脆い構造になっている、ということですね

反対に、安定した狭心症の場合は、プラークの石灰化により、狭窄が進行した状態と言えます

心リハ指導士過去問 脂質異常症編 

脂質異常症のうち、正しい文章はどれか (2019年)

  1. LDLの半減期は2-5日である
  2. HDLやLDLは、トリグリセリド(TG)よりコレステロールが多い
  3. スタチンの作用はコレステロールの合成を抑え、冠動脈疾患の初発・再初抑制効果がある
  4. 体重が増えるとLDLが増える

正しい文章:1,2,3  誤った文章:4(体重と脂質異常症は直接的には関連しない)

心リハ指導士過去問 脂質異常症編 解説

脂質異常症については、毎年1問程度は出題される、頻出分野です

参考にするのは

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022です ↓↓

https://www.j-athero.org/jp/wp-content/uploads/publications/pdf/GL2022_s/jas_gl2022_2_220926.pdf

心臓リハビリテーション必携は2022年に発行されており、

動脈硬化予防ガイドライン2022を反映した内容にはなっておりません

そのため、この分野は過去問けでは対策不能です

動脈硬化予防ガイドライン2017から2022の変更点は以下にまとまっています

特集 「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」改訂のポイントと運動の重要性

https://www.health-net.or.jp/syuppan/kenkozukuri/saishin_pdf/kenkozukuri202212.pdf?20221208

そのあたりにも触れながら解説していきます

ちなみにですが、2023年の試験には、本ガイドラインの内容がしっかりと反映されていました

具体的には選択肢に、トリグリセライド:175mg/dl(随時)

というものがありました

やはり資格試験ですので、試験作成者もこの辺は抜かりないですね

脂質異常症の診断基準

コレステロールトリグリセリド(TG)などの脂質はリボ蛋白の産生または異化の障害であり、

動脈硬化の最も重要な危険因子となります

そのため脂質異常症の治療が必要となります

リボ蛋白は通常、低比重リポ蛋白(LDL)、高比重リポ蛋白(HDL)などに分類されるが、

これらはコレステロールの含有量が多いことが特徴です(トリグリセリドは少ない)

脂質異常症は診断基準と治療目標が異なります

診断基準は以下の通り

脂質異常症の診断基準 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版では赤線の部分が変更となりました

トリグリセライドは食事に伴い変化するため、いつ採血をしたかで診断基準が変わるようです

詳細はこちらのリンクも参考にしてください

https://www.health-net.or.jp/syuppan/kenkozukuri/saishin_pdf/kenkozukuri202212.pdf?20221208

動脈硬化性疾患のリスク区分別脂質管理目標

動脈硬化性疾患のリスク区分別脂質管理目標 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版

一次予防については

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版では、赤線の部分が変更となりました

これまで高リスクには糖尿病のみ記載がありました

しかし、糖尿病の重症度に伴い、LDLの管理目標を変えるべきとの議論があり、

糖尿病においてPAD、細小血管症がある場合は、LDL、non-LDLの目標値が変更されました

また、二次予防は冠動脈疾患の既往がある場合の中のさらに高リスク分類となる疾患に変更がありました

これまでにPAD、慢性腎不全、メタボリックシンドローム、喫煙を合併する糖尿病などが

含まれていましたが、

今回2022年からは、糖尿病は全ての糖尿病が含まれ、非心原性脳梗塞がアテローム性脳梗塞と

名称が変更となっています

これらの変更点は、問題として出題されやすいでしょう

これらの表は必ず記憶しておくべきです

最後に、動脈硬化性疾患のリスク区分別脂質管理目標は、

これまで吹田スコアを参考に作成されていました

2022年の改訂より、久山町研究のスコアを採用したことも、変更点の一つのようです

こちらは豆知識程度でしょうが、、

スタチンの作用

スタチン(アトルバスタチン、ビタバスタチン、ロスバスタチン)は以下の効果があります

LDLを減少させる

non-HDLを低下させる

トリグリセリドを低下させる

HDLを維持もしくは上昇させる

いずれも脂質異常症に対して良い影響を与え、冠動脈疾患の初発抑制および、再初抑制、

さらには、脳卒中の予防効果が得られることは、すでに実証済みです

その他の脂質治療薬については少々難問であり、

問われることは、基本的にはないと考えて良いと思います

以上、参考になれば幸いです

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