「範囲が広すぎて、どこから手をつければいいか分からない」
私も2022年に受けたとき、まさにそこで固まりました。テキストは分厚いし、講習会は2日で終わってしまうし、どこから何問出るとも書いていません
先に結論を書きます。公式が公表しているのは「12の講義項目」と「100問・2時間50分」までです。どの項目から何問出るかは、公表されていません
だから、範囲を絞る作業は自分でやるしかありません。この記事では、公式が出している一次情報だけを土台にして、優先順位の決め方まで書いていきます
公式テキスト、何周しましたか?
私も2022年に受験しましたが、テキストを読むだけだと本番の選択肢で手が止まりました。読んで分かった気になるのと、選べるのは別物ですよね。
そこで、受験生のときに自分が欲しかったものを作りました。全8章315問の呼吸療法認定士 試験対策アプリです。インストール不要で、スマホのブラウザでそのまま解けます。
※ デモ版は第1章の10問のみ
2026年(第31回)の試験、公式が出している事実
まず、確定している情報を並べます。すべて公益財団法人医療機器センターの公式サイトに載っているものです
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日 | 2026年11月8日(日) 開場11時/終了16時 |
| 会場 | 帝京平成大学 中野キャンパス(東京都内) |
| 形式 | マークシート |
| 問題数 | 100問 |
| 試験時間 | 2時間50分 |
| 受験料 | 10,000円(税込) |
| 認定登録料 | 3,000円(税込) |
100問を170分。1問あたり1分42秒です。見直しに20分残すつもりなら、1問1分半で回す計算になります
これ、実はけっこう余裕があります。私は時間が足りなくて焦った記憶がありません。逆に言うと、時間切れで落ちる試験ではないということです。落ちるとしたら、単純に知らない問題が多かったときです
出題範囲は「認定講習会の12項目」がすべて
公式が範囲として示しているのは、認定講習会の講義内容です。この12項目が、そのまま出題範囲だと考えて構いません
| # | 講義項目 |
|---|---|
| 1 | 血液ガスの解釈 |
| 2 | 呼吸機能とその検査法 |
| 3 | 呼吸不全の病態と管理 |
| 4 | 呼吸リハビリテーション |
| 5 | 酸素療法 |
| 6 | 人工呼吸器の基本構造と保守および医療ガス |
| 7 | 気道確保と人工呼吸 |
| 8 | NPPVとその管理法 |
| 9 | 開胸・開腹手術後の肺合併症 |
| 10 | 新生児・小児の呼吸管理 |
| 11 | 人工呼吸中のモニター |
| 12 | 人工呼吸中の集中治療 |
見てのとおり、12項目のうち7つが人工呼吸まわりです。呼吸リハビリテーションは12分の1でしかありません
ここが理学療法士にとって最大の落とし穴だと思っています。自分の得意分野は範囲のごく一部で、点を取りにいくべきは人工呼吸器と集中治療の側なんです
もうひとつ公式に明記されているのが、講義内容とテキストは毎年改定されるという点です。古い問題集だけで押し切るのが危ないのは、これが理由です
配点は公表されていません
「○章から○問出る」という数字をネットで見かけることがあります。ただ、公式はそれを一度も出していません。出回っているのは受験者の体感です
なので、配点表を探して時間を使うのは、あまり意味がないと思います。12項目に濃淡をつけず、自分が説明できない項目から潰していくほうが早いです
職種によって、落とすところが違います
同じ試験を受けても、取りこぼす場所は職種で変わります。私が見てきた範囲だと、だいたいこうです
| 職種 | 手薄になりやすい項目 | もともと強い項目 |
|---|---|---|
| 理学療法士 | 6 人工呼吸器の基本構造と保守 10 新生児・小児 12 人工呼吸中の集中治療 | 4 呼吸リハビリテーション 2 呼吸機能とその検査法 |
| 看護師 | 2 呼吸機能とその検査法 4 呼吸リハビリテーションの運動処方 | 3 呼吸不全の病態と管理 11 人工呼吸中のモニター |
| 臨床工学技士 | 3 呼吸不全の病態と管理 4 呼吸リハビリテーション | 6 人工呼吸器の基本構造と保守 7 気道確保と人工呼吸 |
理学療法士なら、6番の人工呼吸器の構造と保守がいちばんきついはずです。普段さわらない回路やアラームの話が出てきます。ここは知識で殴るしかないので、早めに手をつけたほうがいいです
10番の新生児・小児も、成人しか診ていないと丸ごと飛ばしたくなります。でも捨てるほど大きくないのに、覚えれば確実に取れる範囲です。捨て科目を作らないほうが、結果的に楽だと思います
合格率は6〜7割。3人に1人は落ちています
公式が出している直近5回の実績です
| 回(年) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第26回(2021年) | 3,420 | 2,393 | 70.0% |
| 第27回(2022年) | 3,868 | 2,648 | 68.5% |
| 第28回(2023年) | 3,687 | 2,438 | 66.1% |
| 第29回(2024年) | 3,580 | 2,469 | 69.0% |
| 第30回(2025年) | 3,423 | 2,375 | 69.4% |
直近5回は66〜70%で落ち着いています。1990年代から2010年代前半は55〜63%で推移していたので、昔よりは合格率が上がっているのが実際のところです
とはいえ3人に1人は落ちます。受験料10,000円と、また1年待つ時間を考えると、1回で決めたい試験であることは変わりません
もうひとつ、あまり知られていない数字があります。第30回の合格者2,375人のうち、理学療法士が1,002人で最も多いんです。看護師は857人。累計で見ると看護師が最多なのですが、直近は理学療法士が最大勢力になっています
優先順位のつけかた
ここまでを踏まえて、私が今もう一度受けるならこの順番でやります
1. 12項目を眺めて、説明できない項目に印をつける
テキストを読む前にやります。5分で終わります。ここで自分の穴が見えます
2. 1・5・11から先に手をつける
血液ガスの解釈、酸素療法、人工呼吸中のモニター。この3つは他の項目の土台になります。ここが分かっていないと、7番も12番も読んでも頭に入ってきません
3. 印をつけた項目を、問題を解きながら埋める
読んで覚えようとすると終わりません。問題を解いて、間違えたところだけテキストに戻るほうが早いです
4. 新生児・小児は最後でいい。ただし捨てない
ここを捨てる人が多いので、逆に差がつきます
試験ではこう問われます
範囲の話だけだとイメージが湧かないと思うので、1問だけ置いておきます。12項目の3番、呼吸不全の病態からです
Q. 呼吸不全の定義として正しいのはどれか。
1. 室内気吸入時のPaO₂が70 mmHg未満
2. 室内気吸入時のPaO₂が60 mmHg未満
3. 室内気吸入時のPaCO₂が40 mmHg超
4. SaO₂が95%未満
5. SpO₂が90%未満
答え:2
呼吸不全は「室内気吸入時のPaO₂が60 mmHg未満となる呼吸障害、またはそれに相当する呼吸障害を呈する状態」と定義されます。PaCO₂が正常なものをI型、45 mmHg以上のものをII型に分類します。
こういう、定義と数字をそのまま聞いてくる問題が土台になります。ここを落とすと、応用問題も連鎖して落ちます
出典
この記事の試験概要・講義項目・合格率は、公益財団法人医療機器センターの公式サイトを参照しています。
・第31回3学会合同呼吸療法認定士 認定講習会及び認定試験
・3学会合同呼吸療法認定士(認定試験実施状況)
最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。
著者:こたち(りよたろ)。3学会合同呼吸療法認定士/認定理学療法士(呼吸器)/心臓リハビリテーション指導士/腎臓リハビリテーション指導士。急性期病院のICUで13年、呼吸療法の現場にいます。
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読み終わったあと、何で問題を解きますか?
範囲は分かっても、解けるようになるかは別の話です。私も自己流で押し切って、危ない橋を渡りました。あと少しで再受験料10,000円と交通費を払うところでした。
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※ デモ版は第1章の10問のみ



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