心不全療養指導士の過去問は市販されていません。ガイドブック改訂第3版に沿ったオリジナル問題を全306問つくりました。この記事の問題もその一部です。第1章の10問は無料で試せます。
こたちです。
心不全療養指導士試験の認知機能低下分野から、問題を3問置いておきます。9章は認知機能が低下した心不全患者への対応です。高齢心不全ではほぼ必ず関わる話で、評価スケールの名前と、服薬管理の具体策が問われます。
解説は問題のすぐ下にあります。先に自分で考えてから読んでください。
心不全療養指導士 過去問 認知機能低下(評価スケール)
認知機能の簡易評価に用いられる評価スケールとして、ガイドブックに示されているものはどれか。
① 改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)・MMSE
② NYHA心機能分類
③ Borg指数
④ Forrester分類
⑤ PHQ-9
心不全療養指導士 過去問 認知機能低下(評価スケール) 解説
正解は①です。
認知機能の簡易評価に使うもの
認知機能の簡易評価には、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)やミニメンタルステート検査(MMSE)が用いられる。服薬管理能力と認知機能の関連が報告されており、服薬管理方法の設定には認知機能評価が重要である。(改訂第3版 p.200、p.138)
あわせて覚えておきたいところです。
・これまでに服薬管理能力と認知機能の簡易評価ツールであるMMSE(第9章でも扱う)の点数との関連性が報告されており、服薬管理方法を設定するうえで認知機能評価は必須である。
・心不全患者では認知機能障害の有病率が高く、服薬アドヒアランスや療養行動に影響する。日頃のちょっとした気づき(同じことを何度も尋ねる・探し物が多くなる・会話で”あれ””それ”が多くなるなど)をきっかけに簡易評価や専門医への受診・専門家との連携につなげることが重要である。
心不全療養指導士 過去問 認知機能低下(服薬管理)
認知機能障害が疑われる心不全患者の服薬管理に関する記述として最も適切なものはどれか。
① 認知機能評価を踏まえて服薬管理方法を設定し、必要に応じてキーパーソンの設定や訪問薬剤管理指導などを考慮する
② 服薬回数を1日1回にすれば認知機能に関係なく管理できる
③ 認知機能障害があっても本人だけで管理させる
④ 服薬管理に他職種は関与しない
⑤ 認知機能評価は服薬管理に不要である
心不全療養指導士 過去問 認知機能低下(服薬管理) 解説
正解は①です。
認知機能障害が疑われるとき
心不全患者は認知機能障害の有病率が高く、失念などによる意図しないアドヒアランス低下を防ぐため認知機能評価を踏まえて服薬管理方法を設定する。服薬回数を減らすだけでは不十分なことがあり、必要に応じてキーパーソンの設定や訪問看護・訪問薬剤管理指導などを考慮する。(改訂第3版 p.138、p.198〜202)
あわせて覚えておきたいところです。
・認知機能障害のなかには可逆性のある病態(薬剤性、代謝性、正常圧水頭症など)が含まれる可能性があり、できる限り早期に発見して治療的介入を試みることが重要である。
・専門医との連携を早期に行う理由として、①早い時期の正確な診断による薬物的介入の選択肢の増加、②介護環境の早期整備による介護者負担の軽減・患者の心理的環境の改善、③症状進行で意思表示ができなくなる前の意思確認、があげられる。認知症が「完全に治癒する」ことは理由ではない(進行性・非可逆的疾患である)。
心不全療養指導士 過去問 認知機能低下(中等症認知症)
中等症の認知症患者で障害を認めることが多い活動はどれか。
① 着衣・入浴・慣れた家事の遂行などの日常生活動作
② 言語機能・排泄機能(基本的生活機能)
③ 計算のみ
④ 物忘れのみ
⑤ 障害は認めない
心不全療養指導士 過去問 認知機能低下(中等症認知症) 解説
正解は①です。
障害されやすい活動
認知症は一般に、初期には物忘れに伴う生活上の障害が目立つのに対し、中等症では日常生活(着衣・入浴・慣れた家事の遂行など)に障害を認めることが多い。さらに高度になると言語機能や排泄機能など基本的生活機能が失われる。(改訂第3版 p.202)
あわせて覚えておきたいところです。
・アルツハイマー型認知症をはじめとする大部分の認知症は進行性・非可逆的な過程をたどる。一般に初期には物忘れに伴う生活上の障害が目立ち、中等症では日常生活(着衣・入浴・慣れた家事の遂行など)に障害を認め、認知症が高度になると言語機能や排泄機能など成長期に獲得した基本的生活機能が失われる。
・認知症の確定診断や治療方針の決定は専門医の役割であり、心不全療養指導士が単独で行うものではない。療養指導士は、認知機能低下への気づき・簡易評価・専門家連携、介護環境の調整・橋渡し、服薬管理支援、意思の早期確認支援などを担う。
この分野の出題ポイント
認知機能低下は高齢心不全で必ず関わる分野です。評価スケールの名前、服薬管理の具体策、早い段階で専門医と連携する理由。意思決定支援の考え方もここで問われます。
もっと解きたい方へ
ここに出した3問は、私が作ったオリジナル問題306問の一部です。ガイドブック改訂第3版の章立てに沿って並べてあるので、認知機能低下だけを続けて解くこともできます。
認知機能低下編だけでは足りないと感じたら、全13章306問のアプリで続けて解けます。間違えた問題だけを自動で集めて復習できるので、自分の弱い章が数字で見えてきます。
▶ 無料デモ10問を試す / ▶ 買い切り版(note・全306問)
※ デモ版は第1章の10問のみです。
あわせて読みたい
→ 心不全療養指導士の試験、何をどこまで勉強すればいいの?(勉強の順番と13分野)
→ 心不全療養指導士の過去問 ステージ別療養指導編(近日公開)
→ 心不全療養指導士の過去問 旅行・災害編(近日公開)
※ 問題は「心不全療養指導士認定試験ガイドブック 改訂第3版」(日本循環器学会編・南江堂)に沿って筆者が作成したオリジナル問題です。認定試験の過去問題は公開されていません。解説中のページ番号は改訂第3版のものです。試験日や受験要件は日本循環器学会の公表内容をご確認ください。


コメント