心不全療養指導士の過去問は市販されていません。ガイドブック改訂第3版に沿ったオリジナル問題を全306問つくりました。この記事の問題もその一部です。第1章の10問は無料で試せます。
こたちです。
心不全療養指導士試験の緩和ケア・ACP分野から、問題を3問置いておきます。11章の緩和ケアは、心不全特有の考え方が問われます。がんの緩和ケアと同じではありません。評価ツールの名前も出るので押さえておいてください。
解説は問題のすぐ下にあります。先に自分で考えてから読んでください。
心不全療養指導士 過去問 緩和ケア・ACP(基本的緩和ケア)
心不全医療従事者が提供する主な「基本的緩和ケア」の3要素に含まれないものはどれか。
① ACP(アドバンス・ケア・プランニング)
② 意思決定支援
③ 基本的な症状緩和
④ 心臓移植の適応判定
⑤ (いずれも基本的緩和ケアに含まれる)
心不全療養指導士 過去問 緩和ケア・ACP(基本的緩和ケア) 解説
正解は④です。
3要素に含まれないもの
心不全医療従事者が提供する主な基本的緩和ケアとして、①ACP、②意思決定支援、③基本的な症状緩和があげられ、それらを心不全疾病管理モデルに統合することが重要である。心臓移植の適応判定は緩和ケアの3要素には含まれない。(改訂第3版 p.212)
あわせて覚えておきたいところです。
・心不全の緩和ケアでは、患者の「予後」に焦点をあてるのではなく、患者・家族の「ニーズ」に応じて患者のQOLを損なっている問題点の整理を行い、症状や社会的問題・精神心理的問題などに対する多職種サポートや、必要な意思決定支援・ACPを考えていくことが重要である。
・緩和ケアは基本的緩和ケアと専門的緩和ケアに大別される。基本的緩和ケアは緩和ケアを専門としない医療従事者が臨床実践のなかで提供するもので、専門的緩和ケアは非専門家では難渋する複雑な問題に対し緩和ケアチームなどの専門家が提供するものである。
心不全療養指導士 過去問 緩和ケア・ACP(苦痛症状)
終末期心不全で最も頻度が高い苦痛症状はどれか。
① 呼吸困難(息切れ・息苦しさ)
② 発熱
③ 皮膚掻痒
④ 視力低下
⑤ 関節痛のみ
心不全療養指導士 過去問 緩和ケア・ACP(苦痛症状) 解説
正解は①です。
終末期で最も頻度が高いもの
呼吸困難は終末期心不全の60〜80%にみられ、心不全患者で最も頻度が高い症状である。原因として血行動態の悪化、筋力の低下やサルコペニア、併存疾患の影響などがあげられる。(改訂第3版 p.218)
あわせて覚えておきたいところです。
・終末期心不全ではしばしば心不全治療では改善しきれない呼吸困難に遭遇する。ガイドラインに基づき肺うっ血改善のための介入(利尿薬・血管拡張薬・強心薬など)を最大限行い、治療抵抗性の呼吸困難に対しては少量のモルヒネなどのオピオイドによる対症療法を検討する。塩酸モルヒネは難治性呼吸困難のエビデンスが豊富である(フェンタニルは推奨されない)。
・患者の意思決定能力が低下している状況で家族らが命にかかわる決断を求められる場面は少なくなく、心不全患者の家族支援のなかで最も重要なのは家族への意思決定支援である。一方、代理意思決定者である家族の延命への思いが強いあまり患者自身の意思が尊重されない場合があり、医療者は患者の擁護者(best interest)として、患者にとって最善利益につながる決定となるよう守る役割もある。
心不全療養指導士 過去問 緩和ケア・ACP(QOL評価)
心不全特異的なQOLの評価ツールとして用いられるものはどれか。
① ミネソタ心不全質問票(MLHFQ)やKansas City Cardiomyopathy Questionnaire(KCCQ)
② NYHA心機能分類
③ HDS-R
④ CTR
⑤ Borg指数
心不全療養指導士 過去問 緩和ケア・ACP(QOL評価) 解説
正解は①です。
心不全特異的なツール
疾患にかかわらない簡便なQOL評価ツールとしてEQ-5Dが知られ、心不全特異的なQOL評価指標としてMinnesota Living with Heart Failure Questionnaire(MLHFQ)やKansas City Cardiomyopathy Questionnaire(KCCQ)が知られている。(改訂第3版 p.218)
この分野の出題ポイント
緩和ケアは、がんと同じではないという前提が問われます。導入は終末期になってからではなく早期から並行して行うこと、基本的緩和ケアと専門的緩和ケアの違い、最も頻度が高い苦痛症状、心不全特異的なQOL評価ツール。
もっと解きたい方へ
ここに出した3問は、私が作ったオリジナル問題306問の一部です。ガイドブック改訂第3版の章立てに沿って並べてあるので、緩和ケア・ACPだけを続けて解くこともできます。
緩和ケア・ACP編だけでは足りないと感じたら、全13章306問のアプリで続けて解けます。間違えた問題だけを自動で集めて復習できるので、自分の弱い章が数字で見えてきます。
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※ デモ版は第1章の10問のみです。
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※ 問題は「心不全療養指導士認定試験ガイドブック 改訂第3版」(日本循環器学会編・南江堂)に沿って筆者が作成したオリジナル問題です。認定試験の過去問題は公開されていません。解説中のページ番号は改訂第3版のものです。試験日や受験要件は日本循環器学会の公表内容をご確認ください。


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