心不全療養指導士の過去問は市販されていません。ガイドブック改訂第3版に沿ったオリジナル問題を全306問つくりました。この記事の問題もその一部です。第1章の10問は無料で試せます。
こたちです。
心不全療養指導士試験のデバイス治療分野から、問題を3問置いておきます。デバイス治療はPTやコメディカルが苦手にしやすい分野です。ICDとCRTの違い、CRTの適応に心電図の条件が入ってくるところが問われます。
解説は問題のすぐ下にあります。先に自分で考えてから読んでください。
心不全療養指導士 過去問 デバイス治療(ICD)
植込み型除細動器(ICD)の適応・管理に関する記述として正しいものはどれか。
① 血行動態が破綻する持続性心室頻拍や心室細動からの蘇生後などに適応となり、終末期にはショックによる苦痛回避のため機能停止も選択肢となる
② すべての心不全患者に予防的に植え込む
③ ショックの作動は患者の不安やQOLに影響しない
④ 急性心筋梗塞後48時間以内に一次予防として植え込む
⑤ 余命1年未満でも一次予防として推奨される
心不全療養指導士 過去問 デバイス治療(ICD) 解説
正解は①です。
適応と管理
ICDは血行動態が破綻する持続性心室頻拍・心室細動からの蘇生後などに適応となる。ショックの作動はPTSDやうつ症状のリスクとなりQOLを低下させうるため、終末期にいたった場合はショックによる苦痛回避の観点からICDの治療機能停止も選択肢となる。機能停止についてはACPのなかで患者・家族・多職種と協議を重ねる。(改訂第3版 p.96)
あわせて覚えておきたいところです。
・多職種チームによる運動療法を含む包括的心臓リハビリテーションは、運動耐容能・身体機能の改善のみならず、QOL・well-beingの向上、再入院防止、生命予後改善、フレイル予防・抑うつ改善などの効果が示されている。LVEFを必ず正常化させるわけではない。
・夜間在宅酸素療法は、NYHA心機能分類II度以上で、AHI(無呼吸低呼吸指数)が20以上の中枢性無呼吸を伴う心不全において保険適用がある。QOLの改善と左室駆出率の上昇、心不全増悪による入院頻度の減少に有効である。
心不全療養指導士 過去問 デバイス治療(CRT)
心臓再同期療法(CRT)の適応のポイントとして、適切でないものはどれか。
① 最適な薬物治療が行われている
② 左室駆出率(LVEF)が35%以下
③ QRS幅が150 ms以上(特に左脚ブロック)
④ 洞調律が望ましい
⑤ LVEFが60%以上で心電図が正常
心不全療養指導士 過去問 デバイス治療(CRT) 解説
正解は⑤です。
適応のポイント
CRT(心臓再同期療法)は心室内同期不全(収縮のずれ)を補正する治療で、適応のポイントは「最適な薬物治療が行われている」「LVEF 35%以下」「QRS幅150 ms以上(左脚ブロックなど)」「洞調律が望ましい」である。LVEFが保たれ心電図が正常な患者は適応ではない。(改訂第3版 p.96)
あわせて覚えておきたいところです。
・心不全の薬物治療は左室駆出率に基づいて治療薬を選択する。LVEF 40%以下のHFrEF、41〜49%のHFmrEF、50%以上のHFpEFの各病型に応じて、ガイドライン推奨の効果が高い薬剤(GDMT)を病状に応じて選択する。
・心臓再同期療法(CRT)は心不全専用のペースメーカで、右心房・右心室・冠静脈内にリードを留置してそれぞれをペーシングすることで、房室間・心室間・心室内の収縮のズレを補正して収縮機能を改善する。
心不全療養指導士 過去問 デバイス治療(完全左脚ブロック)
心電図上、心不全の予後不良因子のひとつであり、心室内同期不全を反映する伝導障害はどれか。
① 左脚ブロック(LBBB)
② 第1度房室ブロック
③ 洞性徐脈
④ 心房期外収縮
⑤ 右軸偏位
心不全療養指導士 過去問 デバイス治療(完全左脚ブロック) 解説
正解は①です。
心室内同期不全を反映する伝導障害
伝導障害のなかでも左脚が障害される左脚ブロック(LBBB)の合併は心不全の予後不良因子のひとつであり、心室内同期不全を反映する。CRTはこのような同期不全を補正する。(改訂第3版 p.96)
あわせて覚えておきたいところです。
・高尿酸血症は血清尿酸値>7.0 mg/dLと定義され、HFrEF・HFpEFともに心不全の予後不良因子であり、特に血清尿酸値9.5 mg/dL以上は生命予後不良マーカーとなりうる。利尿薬やβ遮断薬の使用により尿酸排泄が障害される点にも注意する。
・CSAを合併したLVEFが低下した心不全におけるASVの使用は、予想に反して死亡率が増えることが報告されており、現在のところ慎重な対応が必要である。陽圧換気による静脈還流の低下から心拍出量が低下する関与が考えられている。
この分野の出題ポイント
デバイスは、ICDとCRTで目的が違うことがわかっていれば大半は解けます。ICDは突然死の予防、CRTは同期不全の改善。CRTの適応に心電図の条件(QRS幅と左脚ブロック)が入るところが頻出です。
もっと解きたい方へ
ここに出した3問は、私が作ったオリジナル問題306問の一部です。ガイドブック改訂第3版の章立てに沿って並べてあるので、デバイス治療だけを続けて解くこともできます。
デバイス治療編だけでは足りないと感じたら、全13章306問のアプリで続けて解けます。間違えた問題だけを自動で集めて復習できるので、自分の弱い章が数字で見えてきます。
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※ デモ版は第1章の10問のみです。
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※ 問題は「心不全療養指導士認定試験ガイドブック 改訂第3版」(日本循環器学会編・南江堂)に沿って筆者が作成したオリジナル問題です。認定試験の過去問題は公開されていません。解説中のページ番号は改訂第3版のものです。試験日や受験要件は日本循環器学会の公表内容をご確認ください。


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