心不全療養指導士の過去問|薬物治療編【ARNI・他】

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心不全療養指導士の過去問は市販されていません。ガイドブック改訂第3版に沿ったオリジナル問題を全306問つくりました。この記事の問題もその一部です。第1章の10問は無料で試せます。

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こたちです。

心不全療養指導士試験の薬物治療分野から、問題を3問置いておきます。6章の薬物治療のうち、4つの柱の「次」に問われる薬をまとめました。ARNI、トルバプタン、イバブラジン。柱は押さえている人が多いので、差がつくのはこちらです。

解説は問題のすぐ下にあります。先に自分で考えてから読んでください。

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心不全療養指導士 過去問 薬物治療(ARNI)

ARNI(アンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬)に関する記述として正しいものはどれか。

① ネプリライシンの分解を促進してナトリウム利尿ペプチドを減少させる
② ネプリライシンを阻害してナトリウム利尿ペプチドの分解を抑え、血中濃度を増やすことで心保護作用を発揮する
③ ACE阻害薬との併用が推奨される
④ 高血圧の患者には禁忌である
⑤ β遮断薬の一種である

心不全療養指導士 過去問 薬物治療(ARNI) 解説

正解は②です。

作用と位置づけ

ARNIはネプリライシン(NEP)を阻害してナトリウム利尿ペプチドの分解を抑え、血中濃度を増やすことで心保護作用を発揮する。ACE阻害薬とARNIの併用は血管浮腫の可能性を高めるため禁忌であり、切り替え時には症候性低血圧に注意する。(改訂第3版 p.86〜88)

あわせて覚えておきたいところです。

・急激な利尿や過度な利尿による細胞内(血管内)脱水は、RAA系抑制薬の導入時に副作用(低血圧・腎機能悪化)を引き起こしやすくなる。利尿薬と他の心不全治療薬のバランスに注意が必要である。
・これらの薬剤は病状によっては降圧効果が期待されるが、必ずしも降圧を目的とするわけではない。心不全患者はもともと血圧が低い傾向があり、そのような患者こそ恩恵を受ける可能性が高いため、症状がなくただ血圧が低いという理由だけで安易に中止すべきではない。

心不全療養指導士 過去問 薬物治療(トルバプタン)

バソプレシンV2受容体拮抗薬(トルバプタン)に関する記述として正しいものはどれか。

① 純粋な水利尿作用を有し、低ナトリウム血症を伴う心不全に有用だが、高ナトリウム血症のリスクに注意する
② ナトリウム排泄を強力に促進する
③ 外来で高用量から開始する
④ 超高齢者や自ら飲水できない患者に積極的に用いる
⑤ 予後改善効果が確立している

心不全療養指導士 過去問 薬物治療(トルバプタン) 解説

正解は①です。

V2受容体拮抗薬の使い方

バソプレシンV2受容体拮抗薬(トルバプタン)は純粋な水利尿作用を有し、低ナトリウム血症を伴う心不全に有用である。一方、濃縮による高ナトリウム血症のリスクがあり、特に超高齢者や自ら飲水行動をとることが困難な患者には原則として投与を控える。入院下で3.75〜7.5 mgの少量から導入する。(改訂第3版 p.90)

あわせて覚えておきたいところです。

・MRAは利尿効果を主目的とするよりも心保護薬としての役割が大きく、フロセミド抵抗性の際やフロセミドによる低カリウム血症の予防にも有用である。HFrEFの基本治療薬のひとつである。
・フロセミド単剤で効果が不十分な場合、利尿薬抵抗性が出現している可能性があり、より下位の遠位尿細管でのNa再吸収が増加している可能性を考慮してサイアザイド系利尿薬の併用が有効なことがある。MRA併用も有用である。サイアザイド系追加時は低Na血症・低K血症・腎機能障害に注意する。

心不全療養指導士 過去問 薬物治療(イバブラジン)

基本治療薬でも症状が持続し、洞調律かつ安静時心拍数75拍/分以上の場合に、心拍数を下げる目的で用いられる薬剤はどれか。

① イバブラジン(HCNチャネル遮断薬)
② ジゴキシン
③ アミオダロン
④ トルバプタン
⑤ スタチン

心不全療養指導士 過去問 薬物治療(イバブラジン) 解説

正解は①です。

心拍数75拍/分以上が条件

基本治療薬で症状が持続し、洞調律かつ心拍数75拍/分以上の場合には、洞結節のHCN(If)チャネルを遮断するイバブラジンを用いて心拍数を下げることが期待される。目標安静時心拍数50〜60回/分に用量調節する。(改訂第3版 p.84〜86)

あわせて覚えておきたいところです。

・HFrEFでは、QOLや予後の改善・心不全入院抑制を目的に、標準的薬物治療として「ACE阻害薬/ARB/ARNI」「β遮断薬」「ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)」「SGLT2阻害薬」をできるだけ早期に導入する。
・頻脈性心房細動を合併した場合には、β遮断薬を用いて心拍数を下げる心拍数コントロールを行うことがある。この治療では心拍数を下げる「目にみえる」効果が期待される。

この分野の出題ポイント

4つの柱は押さえている人が多いので、差がつくのはその次の薬です。ARNI、トルバプタン、イバブラジン、SGLT2阻害薬の作用部位。副作用と、導入時に何を見るかまでセットで覚えてください。

もっと解きたい方へ

ここに出した3問は、私が作ったオリジナル問題306問の一部です。ガイドブック改訂第3版の章立てに沿って並べてあるので、薬物治療だけを続けて解くこともできます。

薬物治療編だけでは足りないと感じたら、全13章306問のアプリで続けて解けます。間違えた問題だけを自動で集めて復習できるので、自分の弱い章が数字で見えてきます。

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※ デモ版は第1章の10問のみです。

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※ 問題は「心不全療養指導士認定試験ガイドブック 改訂第3版」(日本循環器学会編・南江堂)に沿って筆者が作成したオリジナル問題です。認定試験の過去問題は公開されていません。解説中のページ番号は改訂第3版のものです。試験日や受験要件は日本循環器学会の公表内容をご確認ください。

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