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こたちです。
心不全療養指導士の勉強を始めると、いちばん最初にぶつかるのがステージ分類だと思います。ステージA、B、C、D。言葉は知っているけど、それぞれ何が違って、療養指導がどう変わるのか、いざ問われると曖昧になりませんか。私も心リハ指導士のとき、ここを雰囲気で覚えていて痛い目を見ました。
この分類は、全部の分野の土台になります。ここが固まっていないと、あとの療養指導も治療も、問題文の意味がぼやけたまま読むことになる。なので最初に、試験で問われる形でしっかり整理しておきます。
ステージ分類は「時間軸」で見ると腑に落ちる
心不全のステージは、重症度というより病気の進み方の段階だと思ってください。心不全は基本的に後戻りしない、進行していく病気だという前提があります。この前提を押さえると、なぜA→B→C→Dと一方向で並んでいるのかが分かります。
ステージAは、まだ心臓に構造的な異常がない段階。でも高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙といった危険因子を持っている人。つまり「これから心不全になりうる」リスクの段階です。ここでの療養指導の中心は、心不全そのものの治療ではなく、危険因子の管理と生活習慣の改善になります。
ステージBは、心筋梗塞の既往や左室肥大など、構造的な心疾患はあるけれど、まだ心不全の症状は出ていない段階。無症状のうちに進行を止めにいく段階です。
ステージCは、構造的心疾患があって、かつ心不全の症状が現れた、あるいは過去に現れたことがある段階。私たちが臨床でいちばん多く関わるのがここです。
ステージDは、標準的な治療でもコントロールが難しい、治療抵抗性の段階。補助人工心臓や心臓移植、あるいは緩和ケアが視野に入ってきます。
この流れが頭に入っていると、たとえば「ステージAの患者に緩和ケアを」とか「ステージAに強心薬を」といった選択肢が、段階を飛び越えていておかしい、と一発で気づけます。試験はまさにこの「段階のミスマッチ」を突いてきます。
LVEFの分類も、同じくらい問われる
ステージと並んで必ず出るのが、左室駆出率(LVEF)による分類です。HFrEF、HFmrEF、HFpEF。それぞれ駆出率が低下・軽度低下・保持された心不全のことで、薬物治療の選び方がこの分類で変わります。
そしてもう一つ、意外と差がつくのがHFimpEFという用語です。これは、もともとHFrEFだった人が治療でLVEFが10パーセント以上改善して、HFmrEFやHFpEFに変わった状態を指します。「改善した」という状態にわざわざ名前がついている、というのがポイントです。この略語ファミリーは毎年誰かを混乱させます。
試しに解いてみてください
1問目。心不全ステージA(心不全リスク)に対する療養指導の中心として最も適切なのは?
答えは、危険因子の管理と生活習慣の改善です。ステージAはまだ心臓に異常がない段階なので、やることは発症予防。高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満・喫煙の管理と、運動・体重管理・禁煙・節酒です。緩和ケアや心臓移植の適応評価、強心薬の導入といった選択肢は、どれもずっと後の段階(C〜D)の話。段階を間違えると選んでしまいます(改訂第3版でいうとp.188あたり)。
2問目。HFrEFからLVEFが10パーセント以上改善し、HFmrEFまたはHFpEFに変化した心不全を何と呼ぶ?
HFimpEF、左室駆出率の改善した心不全です(同p.84)。心不全の薬物治療はLVEFで薬を選ぶので、この分類はセットで問われます。単に「良くなった」ではなく、専用の名前がついていることを知っているかどうか。
どちらも、知っていれば一瞬、知らなければ迷う問題です。ステージとLVEF、この2つの分類が体に入っていると、これ以降の分野がぐっと読みやすくなります。
次は診断と検査の話をします
ステージとLVEFで病態の地図ができたら、次はそれをどう見分けるか、つまり診断と検査です。BNPや心エコーの数字が、療養指導士試験でどこまで問われるのかを次の記事で整理します。
この記事の問題は、私が作った心不全療養指導士の問題集アプリからの抜粋です。ガイドブック改訂第3版に沿った全13章・306問で、解説には毎回「改訂第3版の何ページを見ればいいか」を付けています。ステージ分類のように「段階を飛ばした選択肢」を見抜く練習は、数をこなすほど速くなります。デモ版として第1章の10問が無料なので、まず自分の今の精度を測ってみてください。
まずはステージAからDまで、自分の言葉で説明できるか。そこができていれば、この試験の入り口は越えています。
▶ 次に読む:診断・検査:BNPとARNIの関係
ほかの分野もまとめて確認したい方は、出題範囲と勉強法の全体像をこちらに整理しています。心不全療養指導士の試験、何をどこまで勉強すればいいの?


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